英国のノーザンプトンで1足につき約8週間、250にも及ぶ工程を経て質実剛健な靴を生み出しているのがチャーチです。今回は、お仕事のジャケパンルックや休日の上品スタイルなど、少しカジュアル寄りの装いに合わせることができる定番3型をピックアップしました。
3型にはそれぞれ異なるラストを使用
写真のモデルは、左から「グラフトン」「バーウッド」「シャノン」。使用している木型は、左から順にラスト173、ラスト81、ラスト103です。「コンサル」「ディプロマット」「チェットウィンド」といった傑作群に用いられ、チャーチのドレス靴におけるメインラストになっているのがラスト173。ラスト81は、クレープソールが配されたウイングチップ「フェアフィールド」やチャッカブーツ「ライダー」のように、スエードアッパーを採用したカジュアル靴にも使われていてカジュアルモデルの定番ラストです。ラスト103は、ラスト173やラスト81に比べてボリュームのあるフォルムが特徴。
ポリッシュドバインダーカーフとトリプルソールでタフに
「グラフトン」「バーウッド」「シャノン」のアッパーは、チャーチならではのポリッシュドバインダーカーフ。カーフ素材に樹脂コーティングが施されていて、優美な艶をまとっています。通常のカーフに比べて傷や汚れが付きにくくて水にも強いのが大きな利点です。ボリュームのあるトリプルソールを配しているのもあり、華奢なドレス靴とは違ってカジュアルスタイルとの相性にも優れた仕上がりになっているのです。
カジュアルとドレスが好バランスな内羽根式フルブローグ
BURWOOD(BLACK)、BURWOOD(SANDAL WOOD)
ラスト81やトリプルソールのボリューム感、大ぶりなメダリオン、コバに入っているブローギング。これらの要素によってカジュアルな印象を放ちながら、内羽根式であったり、ストームウェルトのないすっきりとした見映えのフラットウェルトによってドレス靴の趣きも。フルブローグの「バーウッド」は、カジュアルとドレスのテイストが好バランスでミックスされた傑作です。カラーはブラックとサンダルウッドをご用意。サンダルウッドはホワイト、エクリュ、ベージュ、ソラーロなど、これからの季節に重宝されるカラーとの相性も抜群です。
上品にしてタフなプレーントゥはジェームズ・ボンドも愛用
ラスト103のボリュームバランスが絶妙なプレーントゥ「シャノン」は、チャーチのラインナップにおいて常にベストセラーランキングの上位に位置するものです。羽根には職人の手仕事によるスキンステッチが入っていて、カジュアルムードのダービー型に精巧な印象を加えています。タンの両サイドが羽根の内側に縫い付けられているため、雨が靴内部に侵入しにくくなっているのもポイント。レザーのトリプルソールの他にダイナイトソールもご用意していますので、着用するシーンに合わせて選んでいただけます。ちなみに、映画『007/慰めの報酬』でジェームズ・ボンドに着用されたモデルがこちらです。
ドレスの木型にカジュアルな味付けが効いたウイングチップ
ストレートチップの「コンサル」と同じラスト173を使用しながら、ストームウェルトや張り出したコバにあしらった存在感あるウィーリングでカジュアルなボリューム感をプラスしているのが「グラフトン」です。外羽根式のウイングチップなので、洗練されたドレスのフォルムをベースにしていても堅さのない見映え。この足し引きの計算により、オンからオフまで幅広いシチュエーションで活躍することを可能にしました。レザーのトリプルソールの他にダイナイトソールもご用意しています。
いつの時代も嬉しい驚きはチャーチから始まる
1873年にノーザンプトンで創業し、ドレスシューズに革命を起こしたのがチャーチです。当時は左右の靴が同じ形状だったのですが、左右それぞれの足型に合わせた湾曲構造を初めて取り入れて履きやすさを劇的に向上させました。サイズ展開においても当時の常識を打破。従来にはなかったハーフサイズを導入したのもチャーチが初めてだったのです。そんな歴史を有するシューメーカーだけに、ドレスとカジュアルの垣根を超えたモデルで驚かせるのも難なきこと。例えば、カジュアルフライデーから週末にかけての3日間。ここでご紹介した3足を履きまわしてみてはいかがでしょうか。
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