ハイセンスなタイやスカーフで世界中のウェルドレッサーを魅了してきた英国のドレイクス。
昨今はクリエイティブディレクターであるマイケル・ヒルのもと、高品質な英国メイドのシャツもリリースし話題となっている。ドレススタイル発祥の地であるイギリスの、伝統的な素材や仕立てのテクニックに加え、ロンドンのモダンなセンスを感じさせるシャツは、ホンモノが求められる今の時代にこそ相応しい逸品なのだ。
昨今はクリエイティブディレクターであるマイケル・ヒルのもと、高品質な英国メイドのシャツもリリースし話題となっている。ドレススタイル発祥の地であるイギリスの、伝統的な素材や仕立てのテクニックに加え、ロンドンのモダンなセンスを感じさせるシャツは、ホンモノが求められる今の時代にこそ相応しい逸品なのだ。
自社生産による歴史は二人の天才から始まった
自社生産は工場があり、職人、デザイナーがいて初めて成り立つ。ドレイクスでは1986年に生まれた“ヒル&ドレイク”がそのスタート。チャールズ・ヒルとマイケル・ドレイクの二人が生み出すタイは、デビュー後瞬く間に一世を風靡し、世界的なブランドへと成長。その後“ドレイクス”名義となったのは1993年。英国生産の高品質なタイは、本邦の著名なセレクトショップからも大いに支持され、ドレイクスは不動の地位を得ることになる。そして2012年からはチャールズ・ヒルの息子であるマイケル・ヒルがドレイクの意志を受け継ぎクリエイティブディレクターに就任。従来のタイやスカーフなどに加え、ハイエンドなシャツもコレクションに盛り込み進化を遂げている。
なかでもシャツは、英国メイドらしい確かな作り込みと現代的な軽妙さをバランス良く備えた仕立てが特徴。欧米のみならず日本など広くアジアでも多くの反響を得ているのである。
シャツはサマーセット自社工場にてすべてを生産
本格的なドレスシャツを生産するファクトリーは、今や英国でも貴重な存在。なかでもクリーブ・オブ・ロンドンは高級シャツを手掛けるファクトリーとして長く活動を続けてきた実力派だ。初期のドレイクスのシャツタグにそのファクトリー名が明記されているのは、英国生産がドレイクスにとって重要なアイデンティティだから。2013年にそのファクトリーを傘下に収め、現在ドレイクスのシャツは完全自社生産を実現。イギリスメイドとは、つまり本格仕立てを意味し、長年に渡り美しい装いが楽しめるスペックを備えていることの別名でもある。厳選の生地を使い熟練の職人がすべてを手掛けていることはもちろん、快適に着続けられるアイディアが随所に込められているのもポイントだ。インバーテッドプリーツや手間の掛かるボタン付けはその象徴的なディテール。さらに身体をしっかり包み込むようフロントには8個ものボタンを配し、ガントレットの裏側も別布にて補強するなど、まさに念入りともいえる仕立てが英国らしさを如実に物語っている。
動きやすさを考慮した独自のインバーテッドプリーツ
ドレイクスのシャツを象徴するディテールである背中のインバーテッドプリーツ。欧州で一般的とされるショルダーの脇部分に入るプリーツや、アメリカ的なセンターボックスプリーツとも異なる独創的なプリーツの入れ方は、ドレイクスならではのもの。ヒダを内側に折り込んだプリーツは背中を伸ばしたときにはフラットに見えつつ、腰を曲げたり腕を大きく動かすような姿勢のときに開いて身体の動きを助ける効果がある。さらにこのプリーツは腰の部分で一旦ステッチされており、腰回りのダブつきを抑えることも考慮されているのだ。動きやすさとスマートなルックスを両立させた、極めて合理的なディテールなのである。ボタンやその縫い方にまでこだわりあり
シャツのボタンは指でつまめるくらいの小さなパーツ。しかしそのシャツを身に着けたとき、全体の表情を左右する重要な要素にもなっている。本格仕立てのシャツのボタンは貝製が最も好ましい。なかでも白蝶貝のボタンは高価なドレスシャツにも用いられる高級品。ドレイクスのシャツの多くはすべてのボタンにこの白蝶貝を用い、縫い付けもボタン留めが容易な根巻きを施すなど、手間を惜しまない方式が採用されている。根巻きとはボタンとシャツ地を結ぶ脚糸をグルグルと複数回巻き上げて仕上げる縫い付けのこと。これによりボタンとシャツ地の間に適度な空間が生まれ、ボタンが留めやすくなる。
機能と遊び心を感じさせる胸ポケット
ドレイクスのシャツには基本的に胸ポケットが付けられている。インフォーマルとされる胸部分のポケットだが、現代を活動的に生きる男子には何かと手放せないアイテムが多いもの。その代表的なアイテムがペンである。ドレイクスのシャツの胸ポケットにはペン専用のスロットが設けられている。お気に入りのペンを挿しておくことで、実用性に加えさり気なく個性のアピールまで可能なのだ。ネクタイを締めることでさらに引き立つ美観
ドレイクスのシャツはアンタイドでも個性豊かなに着こなせる一枚だが、タイを締めることにより、さらに味わい深いルックスが楽しめるよう工夫されている。ややワイド気味のカッタウェイ・カラーや柔らかさを持つフラシの襟芯、それに台襟の高さなど、タイの結び目が堅苦しくなく美しく納まるよう考慮された仕立てを貫いている。また、そんなシャツにマッチするよう今季ドレイクスでは、多彩なタイのバリエーションを打ち出しているのだ。オックス生地のストライプシャツには、素材感豊かなグレナディン織りのタイを。繊細な細幅ストライプのシャツならばキュートな雰囲気の小花柄タイなど。そして大定番の白無地シャツには涼感漂うパナマ織りのプリントタイを合わせたり。コーディネイトは着こなす人の自由だが、ドレイクスのシャツ&タイをチョイスすれば、モダンセンス漂う英国調の装いが手軽に実践できること確実。その他シャツにまつわる記事はこちらからご覧いただけます。
・ 英国的シャツスタイルを楽しむコツと選び方(前編)
・ 英国的シャツスタイルを楽しむコツと選び方(後編)
・ 正統派スタイルの必需品。ポケットチーフを見直そう(たたみ方編)
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・ 「時間を掛けてビルドアップしていくスタイルが自分には合っている」—ドレイクス インタビュー
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